マンガ・アニメは、線画です。幼い頃から慣れ親しんだ、この描法が特別なものだと感じる人は少ないでしょう。デッサンの描法とどこが明らかに違うかというと、デッサンは線画ではありません。線を描くことはあります。しかし最終的に、線は消えていきます。なぜか?デッサンは現実を写していく方法であり、現実には「線」というものが無いからです。ここで線というものが、誇張されたもの、表現であるということがわかります。我々日本人は、それほど線による表現に慣れ親しんでいるのですが、これは日本独特の伝統がそうさせているということなのです。

線の表現は、簡単そうで皆が慣れ親しんでいるものですが、実はステップアップが難しい。それは線がとても絞りこまれた、シンプルな表現だからです。生き生きとした線、立体的な奥行きをもった線など、シンプルな中で表現しなければならない。ここで、生き生きとした線の「抑揚やリズム感」、立体的な奥行きを「面的に捉えて量感を把握すること」などを、デッサンで練習することが早道だと思います。過去の日本人が、運筆や写生を徹底的に繰り返した作業量に比べれば、早道だと思います。

しかし私の妻もそうでしたが、デッサンを始めた当初、どうしても立体的に捉えることが出来ないで苦労していました。それは例えば人物だと、シルエット=外形で捕らえるだけで、そこに奥行きや丸みを感じていないこと、シルエット的見方が癖になってなかなか立体が認識出来ないことが原因だったように思います。必要だったのは立体を描く技術ではなく、「立体視」「空間視」が出来るか、脳内で立体展開出来るか、という想像力でした。まずは、基本的な立体を実際に描いてみる、次に人体の立体感を覚える、更にポーズや角度を脳内でイメージし再現する、とステップアップさせていきます。

魅力的なものには、やはり世界観があります。ここで言ったことは、絵を上手く描くさわりだけ。作品は、絵が上手いだけではなく、ストーリーやキャラクター制作など幅広い才能が問われますので、本当に才能がいる分野だなと思っています。

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